発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008012087
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57歳女、腰痛・右下肢痛を主訴とした。安静時、右下腿外側~足背の感覚鈍麻を認め、右下肢伸展挙上テストでは50°にて大腿外側~下腿外側に痛みを認めた。日整会腰痛治療成績判定基準は29点中16点であった。MRIではL4/L5椎間高位にT1強調画像で低輝度、T2強調画像で高輝度を示す腫瘍性病変を認めた。ガドリニウム強調画像で腫瘍周囲の増強を認めた。脊髄腔造影、造影後CTにてL4/L5椎間高位に右側からの硬膜管の圧迫を認めた。硬膜外腫瘍性病変によるL5神経根圧迫症状と診断し、L4/L5部分椎弓切除術、腫瘍摘出を行った。腫瘍は1.5×1×0.5cm大、黄色で表面が滑らかであった。病理組織所見では病変は皮膜を有し内部は変性の強い硝子化を認め、病変内樹状細胞はS-100蛋白陽性であり、肉芽組織と診断した。術後経過は良好で、術後約2年の現在、症状の再発はなかった。本症例の病態は脊椎腫瘍との鑑別を要した比較的大きい黄色靱帯変性により、右L5神経根が圧迫されたと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007