発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008060706
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36歳女。8年前より誘因なく強い左側胸部痛を間欠的に認めていたが、耐え難い左側胸部痛が出現したため救急搬送された。左第6肋骨に沿った放散痛、叩打痛、知覚鈍麻を認め、MRIではTh6レベルに4×2cm大の砂時計腫を認め、T1強調像で低信号、T2強調像で不均一な高信号、Gd-DTPAで不均一に造影された。3-D CTによる腫瘍周囲の緻密な解剖学的情報に基づいて、後方正中切開にて横突起先端より3cmまで肋骨を展開し、Th6片側部分椎弓切除・椎間関節部分切除・Th6横突起部分切除により腫瘍を全摘出する計画を立てた。術中、大血管や胸膜との癒着は軽度であり、手術時間2時間30分、出血量は150mlであった。病理組織診断はAntoni分類type Bを主とする神経鞘腫であり、術後疼痛は改善し神経脱落症状も軽微知覚異常のみであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007