発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006302228
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症例1:30歳女.主訴は腰痛,左下肢のしびれで,断層X線像にてL3~L5椎体のスキャロップを認めた.脊髄造影像ではL2/L3レベルでcap defectを認め,硬膜内腫瘍を疑いL1~L5の広範椎弓切除を行った.術後筋力低下は改善せず,下垂足は残存した.術直後に膀胱直腸障害が出現し,尿閉のため自己導尿を要した.術後20年経過し,下肢筋力は術前と同程度で,短下肢装具を使用して歩行可能である.膀胱直腸障害も残存し,1日20回程度の頻尿を認めている.症例2:47歳女.主訴は左下肢のしびれで,単純X線像でL3~S1椎体後方のスキャロップを認めた.脊髄造影ではL3レベルでのcap defectを,CTでは椎体のスキャロップとpaper-thin-laminaを認めた.椎間関節は菲薄化しており,癒合していた.L2~L5椎弓を両側関節突起間部で切離して椎間関節部から外し,脊柱管を広範に展開した.腫瘍被膜と硬膜は広範に癒着していたため,内部を核出した後,腫瘍被膜と硬膜を一塊に切除した.術後一時的に尿閉となり,自己導尿を要した.術後6ヵ月現在,腰痛や下肢つっぱり感は消失し自排尿も可能であるが,残尿がある
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