臨床室
胸椎硬膜外に存在した髄膜腫の1例
原 洋行
1
,
遠藤 努
,
金山 雅弘
,
大羽 文博
,
嶋村 之利
,
金子 和夫
1函館中央病院 背椎センター
キーワード:
Gadolinium
,
胸椎
,
硬膜外腫瘍
,
MRI
,
鑑別診断
,
髄膜腫
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
椎弓切除術
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
椎弓根スクリュー
,
PET-CT検査
Keyword:
Positron Emission Tomography Computed Tomography
,
Diagnosis, Differential
,
Gadolinium
,
Meningioma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laminectomy
,
Spinal Fusion
,
Thoracic Vertebrae
,
Epidural Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Pedicle Screws
pp.972-975
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017392531
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66歳女性。約4ヵ月前に重い荷物を持った後から背部痛を自覚し、その後、両側胸部痛、両鼠径部以下のしびれ、歩行時のふらつきが出現した。初診時、MRIおよびCT所見では胸椎硬膜外腫瘍を認めたが、全身検索では異常所見がみられず、神経原性腫瘍または血管腫の可能性が強く疑われた。だが、悪性腫瘍も否定できず、腫瘍摘出術を施行した。手術はTh8~Th9左椎間孔外に進展する腫瘍であったため、左Th8~Th9左椎間関節を切除し、インストゥルメントを用いた後方固定術を行った。病理組織学的にWHO分類grade Iの髄膜皮性髄膜腫と診断された。術直後より両側胸部痛は消失し、術翌日より歩行を開始した。その後、痙性の軽減とともに歩容は正常化し、Th-JOAは術前の5.5点から術後4ヵ月で10.5点へ改善し、退院となった。
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