発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008060707
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54歳女。転倒受傷4日後より左下肢のしびれが出現し、急激に神経症状の進行を認め歩行困難となった。初診時、手関節・膝関節などに外傷を契機に発生したと考えられるガングリオンが散見された。MRIではTh9/Th10後方硬膜外にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号の腫瘤性病変を認め、脊髄は左後方から圧迫され、脊髄造影では同部で完全ブロックが見られた。胸椎硬膜外腫瘤による脊髄圧迫症状と考え、受傷後6週で手術を施行した。左Th9/Th10を開窓し肥厚した黄色靱帯を切除すると被膜をもった腫瘤性病変を認めゼリー状の内容物が露出したため、被膜を含め可及的に摘出した。摘出腫瘤は病理組織学的にガングリオンと診断された。術後2週で左下肢筋力、術後4週で右下肢知覚低下が回復し、歩行可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007