発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007261012
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富田式threadwire saw(T-saw)を用いた還納式椎弓切除術を行った2例について報告した。症例1は、30歳男性であった。腰痛、左下肢の知覚・運動麻痺で歩行困難となり入院した。左下肢伸展挙上(SLR)テストは30°、左下腿外側から足背部にかけて知覚低下を認めた。MRIで巨大なL5/S1椎間板ヘルニアを認め、T-sawを用いて椎弓切離を行い、ヘルニア摘出後に切離椎弓を戻してチタン製ワイヤーで締結固定した。術後、症状は速やかに改善し、約6ヵ月後のCTで骨癒合を認めた。症例2は、44歳男性であった。腰痛から右下肢痛と排尿障害が出現して入院した。SLRテストは右側15°、左側30°、右下腿から足にかけての激痛と知覚低下、会陰部にしびれ・灼熱感を自覚していた。MRIで巨大なL5/S1椎間板ヘルニアを認め、ミエロ造影でL5~L5/S1にかけて造影剤の完全途絶を認めた。T-sawを用いた還納式椎弓切除術で右下肢痛と排尿障害は改善し、原職に復帰した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007