発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011044260
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METRx microscopic discectomy(MMD)法を施行した腰椎椎間板ヘルニア76例を対象に、その臨床成績と低侵襲性について検討した。手術時間は平均63±17分で、出血量は全例、少量であった。周術期合併症として、ヘルニアと強い癒着がある2症例に硬膜の僅かな損傷を認めたが、2例ともくも膜は無傷で、髄液漏は認めなかった。JOAスコアは術前と最終観察時の比較で有意に改善しており、改善率は85%であった。ODIも改善し、日常生活に支障をきたすような遺残症状は認めなかった。再発は4例で、遺残ヘルニアの再発と思われた。経過観察中の再手術は、再発ヘルニア2例、椎間孔狭窄の合併2例であった。術後体温変化は、術翌日のみ術前に比べ、有意な上昇を認めた。創部痛のvisual analogue scaleは術翌日のみ3.9±2.0で術後2日目には有意に改善していた。術後入院日数は平均3.2±0.7日で、患者に対する調査では退院可能時期は平均2.2±0.5日と回答していた。以上より、腰椎椎間板ヘルニア治療としてMMD法は安全で、低侵襲な方法であると考えた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010