発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007184480
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20歳男、左環指痛および屈曲障害を主訴とした。空手中に手指を過伸展され、左環指の疼痛が生じた。受傷6日目の初診時、左環指全体に軽度の腫脹があり、掌側に圧痛および皮下出血を認めた。環指の自動運動は近位指節間関節は屈曲40°に障害され、遠位指節間関節は屈曲不能であった。MRIのT1、T2強調画像にて左環指中節部掌側の屈筋腱部に高信号領域を認め、深指屈筋腱損傷を疑った。手術を行ったところ、末節骨停止部で断裂した深指屈筋腱近位断端は基節骨掌側まで退縮していたため、Nelatonカテーテルを用いて腱鞘内を通して末節骨掌側に引き出した。末節骨掌側中央部の骨皮質を新鮮化した後、深指屈筋腱断端を末節骨へ引き抜き縫合法にて固定した。術後約3週間、tension reducing positionにてギプスシーネ固定し、術後7ヵ月、左環指の自動屈曲は改善し、疼痛なくスポーツ復帰を果たした。
©Nankodo Co., Ltd., 2007