発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011288570
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32歳男。ハシゴが崩れ落下する際、左手でハシゴをつかみ受傷した。左中指遠位指節間(DIP)関節付近に痛みがあり、DIP関節の自動屈曲は不能であった。また、近位指節間(PIP)関節掌側皮線に沿い4mmの割創を認めた。中節部掌側の触診により陥凹を認め、屈筋腱を触知できなかった。X線で骨折は認めなかった。PIP関節皮線に割創とは別の、DIP停止部における屈筋腱皮下断裂と診断して手術を施行した。深指屈筋腱は末節骨停止付近の実質部で断裂し、末梢には末節骨に停止する部分を残していた。深指屈筋の近位断端はA2プーリー内まで短縮していた。C2プーリーを展開して浅指屈筋腱の交叉より引き出し、A3およびA4プーリー内を通し、C3プーリーを展開し吉津1法により端端縫合を行った。術後はギプスシーネ固定と早期自動運動療法を行い、術後6ヵ月現在、DIP関節の自動可動域は良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011