発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006105266
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28歳男.工場作業員であり,仕事中,作業用ベルトに左環指が引っかかり受傷した.左環指の遠位指節間(DIP)関節掌側から指腹部に腫脹と皮下溢血,圧痛を認め,DIP関節の自動屈曲は不能であった.単純X線像では環指末節骨近位端掌側に関節面の1/3に及ぶ骨片を認め,中節骨近位部にも小さな骨片がみられた.受傷から6日後に手術を行った.DIP関節掌側の裂離骨片は回旋転位し,深指屈筋腱との連続性はなかった.深指屈筋腱の断端は小骨片と共にA4プーリーの近位に停止していた.末梢骨の裂離骨折はスクリューを用いて骨接合し,深指屈筋腱はナイロン糸による引き抜き法で末梢骨付着部に再縫着した.術後10ヵ月現在,近位指節間(PIP)関節の自動伸展は-3°,屈曲は103°で,DIP関節の伸展は-9°,屈曲は36°であった.日本手の外科学会評価基準の%総自動運動域は83%で,goodの評価であった
©Nankodo Co., Ltd., 2006