発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007037992
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81歳男。両膝変形性関節症に対し、20年前に右側人工関節全置換術、18年前に左側人工関節全置換術を受けた。2年前から右人工関節の弛みがあり、徐々に右膝痛が増強してきたため当科入院となった。X線検査で大腿骨内顆の骨欠損と大腿骨コンポーネントの著明な弛みを認め、コンポーネントを抜去した。大腿骨内顆の欠損は55mmにわたっており、表面置換型の人工関節による再建は困難と判断、腫瘍用人工膝関節(rotating hinge type)を使用することとした。脛骨近位はドーム状の骨欠損を呈していたため、遠位大腿骨の海綿骨を細片化し、骨移植したあとにセメントレス人工関節を挿入した。術後8ヵ月の現在、杖を使用して安定した歩行が可能であり、自動ROMは伸展0°、屈曲90°と良好、JOAスコアは術前の40点から75点に改善し、感染徴候は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006