発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008030696
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82歳女。右変形性膝関節症に対し、セラミック人工膝関節全置換術(TKA)を施行した。術後経過は良好であったが術後6年誘因なく歩行時痛が生じた。次第に右膝内反変形が進行し歩行時不安定感が生じ術後8年歩行困難となった。歩行器使用で室内歩行レベルに制限され著明なlateral thrustを認めた。右膝可動域(ROM)は屈曲90°、伸展0°で内外反ストレスでは著明な側方動揺性を認めた。軽度膝蓋跳動を認めたため関節穿刺を行ったが関節液培養で菌は検出されずTKA後の遅発性感染は否定的であった。術前単純X線で大腿骨コンポーネント周囲に骨溶解、大腿骨内顆部に骨溶解に伴う骨折像を認め、術前内外反ストレス撮影で大腿骨側でコンポーネントと骨間で著明な動揺性を認めた。TKA術後の高度骨破壊を伴うaseptic looseningと診断し再置換術を行った。術後は独歩可能でコンポーネントの弛みもなく経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007