発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011306546
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感染TKAに対し人工膝関節を抜去後、人工関節型カスタムメイドセメントスペーサー(A)を用いて治療した6関節を対象に、A挿入中と、人工膝関節再置換術後の膝関節可動域(ROM)と歩行能力を調査した。抜去前の膝関節ROMは平均117.5°で、A挿入後にリハビリテーションにより達成した平均膝関節ROMは伸展0°、屈曲96.3°であった。歩行能力は、84歳女性例が高齢のため歩行器歩行に留まり、血友病性関節症の1例が関節血腫を生じたため荷重制限をつけ両松葉杖歩行とし、他の4例は全荷重T字杖歩行が可能であった。6関節中5関節で感染鎮静が約3ヵ月継続したことを確認し、抜去後平均106.5日で人工膝関節再置換術を行った。術中培養は陰性であった。再置換後平均2年9ヵ月の最終診察時、全例で感染再燃を認めず、膝関節ROMは伸展0°、屈曲107°であった。歩行能力は4例が独歩、1例がT字杖歩行、1例が荷重制限をつけた両松葉杖歩行であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011