人工関節の臨床成績(中～長期含む) 膝の人工関節 プロフィックスセメントレス人工膝関節全置換術の長期臨床成績

セメントレスプロフィックス人工膝関節全置換術後10年以上観察し得た52例70膝の長期臨床成績とそのX線評価を検討した。日本整形外科学会膝疾患治療成績判定基準(JOAスコア)は術前61.5点から術後5年で83.7点に、関節可動域は術前109.5°から術後117.1°に改善し、合併症として大腿骨顆上骨折1膝、膝関節拘縮の経時的進行1膝を認めたが、感染、症候性肺血栓塞栓症、膝蓋大腿関節の疼痛、亜脱臼などは認めなかった。また、X線像上でインプラントの移動や膝蓋骨の偏位、沈下、骨溶解、明らかな骨萎縮や応力遮蔽を認めた症例はなく、弛みをエンドポイントとする累積生存率は100%と安定した長期成績であった。なお、放射線透過性線状像の出現率は大腿骨のzone 1、2で高く、脛骨ステム先端に海綿骨様の骨硬化像を高率に認めた。