発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009003484
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47歳女性。患者は左変形性股関節症に対するChiari骨盤骨切り術の2週間後より感染徴候が生じ、経皮的骨切り部固定用鋼線刺入部の発赤・腫脹を認め、浸出液よりMRSAが検出された。X線では大転子再接合部の溶解性離開が認められ、同部への感染波及が示唆された。関節温存のままに関節と周辺の病巣掻爬と浜野式閉鎖式持続洗浄を2週間行なわれたが感染徴候は沈静化せず、菌血症による連日の高熱、低栄養、抗生物質などによる腎機能障害を来し、全身状態の悪化から再手術は困難で、経皮的穿刺による関節内洗浄とパンピングを試みた。その結果、発熱は次第に治まり、全身状態も改善され、感染徴候は消失した。目下、術後6年経過で術前54点であったJOAスコアは93点と良好な経過を維持している。
©Nankodo Co., Ltd., 2008