発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007095243
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変形性股関節症にて、両側同時人工関節全置換術(THA)を行った27例54股(第I群)、片側罹患例で片側THAを行った35例35股(第II群)、両側例で片側THAのみを行った18例18股(第III群)、約1年の期間をおいて片側ずつ2段階でTHAを行った6例12股(第IV群)を対象とし術前後の屈曲、外転ROMの比較・検討を行なった。手術は全て初回セメントレスTHAで、術後は荷重制限なくリハビリテーションを施行した。その結果、術前の平均屈曲、外転ROMは、屈曲、外転共に第II群で有意に大きく、他3群間には有意差はなかった。退院時でのROM改善は、術前と比較して屈曲では第II群(片側罹患例)で有意に小さく、他3群では有意差を認めなかった。外転では第I群で大きいものの有意差を認めなかった。退院時~術後1年のROMの変化は、第I、II群では退院後も経時的にROM改善が認められたが、第III、IV群では退院後改善がないか、むしろROMが減少していた。術前と比較した術後1年でのROM改善は、屈曲、外転共に第I群で他の3群より統計学的に有意に大きく、次に第II群で大きかった。片側THA群(第II~IV群)の手術時の対側屈曲股関節ROMの平均は、第II群で有意に高かった。
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