特殊な疾患、高度の変形を伴う例に対する人工関節 骨折後 寛骨臼骨折内固定後に対するdelayed人工股関節全置換術

寛骨臼骨折内固定後に対するdelayed人工股関節全置換術(THA)について検討した。手術的治療を行った寛骨白骨折36例中、delayed THAが必要となった4例4股を対象とした。Delayed THAにいたった原因は、後壁粉砕骨折に伴う後方脱臼･骨頭壊死1例、後壁骨折に対して行った内固定材料の股関節内迷入による大腿骨頭損傷ならびに二次性変形性股関節症3例であった。JOAスコアは術前平均37点から術後平均91点まで改善した。THA後合併症は深部感染例1例、股関節脱臼1例、坐骨神経損傷例なし、異所性骨化例なしであった。深部感染例の1例はメチシリン感受性黄色ブドウ球菌感染を発症し、インプラントをすべて抜去後、いったんセメントスペーサーを留置し感染鎮静化の後、revision THAを施行した。最終日常生活動作は全例とも独歩可能であった。