発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006091344
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46歳男.左上腕部腫脹および同部疼痛を主訴とした.血液検査所見にて著明な炎症を認め,単純X線,MRI,Gd-DTPAにて左上腕骨骨幹部の骨溶解を認め,腋窩および頸部に多発性のリンパ節腫脹を認めた.また,胸部CTにて両側の多発性気腫性嚢胞および右S2領域背側胸膜下に結節性病変を認めたが,原発病巣は確定できなかった.初診1週間後,播種性血管内血液凝固となり,全身状態は急速に悪化した.肩甲帯離断術,リンパ節郭清術を行った結果,全身状態,炎症所見は急速に改善した.術後1ヵ月に発熱および炎症所見を認め,胸部CTにて気腫性嚢胞にあった小結節の著明な増大を認めた.病理学的に肺大細胞癌と診断し,化学療法を行った結果,腫瘍は著明に縮小し炎症所見は正常化した.術後6ヵ月現在,転移や再発は認めない.本例は高度炎症所見を呈し確定診断が困難であったが,G-CSF産生肺大細胞癌の骨転移と診断した
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