発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005202423
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80歳男.背部痛と腰部痛を主訴とした.倒木により背部を強打し,X線所見にて右第5肋骨骨折を認めたため,入院となった.入院時神経学的所見や血液検査では,著明な異常を認めなかったが,翌朝より両下肢不全麻痺が出現した.入院翌日の神経学的所見,X線脊髄造影,ミエロCT,MRI各所見より,Th12-L1圧迫骨折に伴う脊髄硬膜外血腫による両下肢不全麻痺と診断した.Th10-L1までの緊急後方手術を行い,Th12-L1高位の血腫を除去した.術後の神経学的所見では術前と比較して改善を認め,左下肢で良好な改善を認めたが,独歩は不能である.基礎疾患がなく,軽度の圧迫骨折後に脊髄硬膜外血腫が発生した症例は稀であるが,症状や麻痺の程度に応じた適切な治療を行うことが重要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005