発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007085021
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57歳男。腰背部痛および右臀部から大腿後面にかけての疼痛を主訴とした。慢性腎不全および糖尿病を基礎疾患とし、下肢の知覚は正常であったが、右長母趾伸筋、右長母趾屈筋、腓腹筋が徒手筋力テスト(MMT)4に低下していた。また、血液検査所見で出血傾向は認めなかったが、全身に出血性紫斑病変が出現していた。MRIのT1およびT2強調画像ではL5-S1レベルに高信号で内部に低信号が混在する辺縁明瞭な紡錘型腫瘤がほぼ脊柱管全域を占拠していた。硬膜外腫瘤による右L5-S1神経根障害と診断し、L5椎弓切除・腫瘤摘出術を施行した。腫瘤は病理組織学的にほぼ全層が赤血球で慢性期血腫の診断であった。術直後より右下肢痛は消失し、術後6ヵ月のMRIでは脊柱管内に残存病変、再出血はみられず、術後24ヵ月現在筋力はMMTで4+~5レベルへ回復している。
©Nankodo Co., Ltd., 2007