発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006004685
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急性脊髄硬膜外血腫9例を対象に,5例に保存的加療,4例に血腫除去術を施行した.保存的治療5例では,神経症状は4例がFrankel分類A,1例がBまで悪化したが,1例を除き麻痺出現後30分~4時間で改善傾向を認めた.又,これらの血腫の拡大範囲はいずれも6椎体以上であった.最終観察時の神経所見は1例がFrankel分類D,3例がEであり,いずれも予後良好であった.予後不良であったのは1例で,82歳と高齢,発症後13日,Frankel分類Aとなって10日経過してから受診し手術を断念した例であった.手術的治療4例では,全例最悪化時の神経所見はFrankel分類Aであった.血友病であった1例は,保存的治療として経過観察していたが,発症後6日目に排尿障害が悪化したため手術となった.1例は麻痺が進行してFrankel分類Aとなり,麻痺出現後6時間半で手術を開始し,最終観察時Frankal分類Eとなった.Frankel分類Aとなってから9時間以上経過して受診した1例は,麻痺出現から15時間後に緊急手術を施行し症状の改善を認めたが,最終観察時Frankel分類Cにとどまった.受診がFrankel分類Aとなってから2日後となった1例は手術を施行したが麻痺は改善せず,最終観察時もFrankel分類Aであった
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