発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154771
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80歳女.転倒して右大腿骨幹部骨折を受傷し4日後にEnder釘による骨接合術を試みたが顆上骨折をきたし,プレートにより固定した.術後4ヵ月目に大腿骨顆上骨折部に偽関節をきたして偽関節手術+自家腸骨移植術を施行したが,3ヵ月後に術創部に感染を認めMRSAが検出された.バンコマイシン(VCM)の全身投与で感染徴候は鎮静化したがその後もMRSA感染を繰り返し,外科的病巣掻爬術でも鎮静化せず,初回手術から1年2ヵ月後に紹介入院となった.入院後,弛緩したプレートを抜去後に病巣郭清術と塩酸アルベカシン含浸ハイドロキシアパタイト充填術を施行し,術後はVCM0.5g×2/日の点滴投与と塩酸ミノサイクリン200mg/日の経口投与を行った結果,感染は鎮静化し5ヵ月後には骨癒合が確認され創外固定器を除去して起立訓練が開始された.術後3年を経過の現在,右膝関節可動域制限は著明であるが手すりにつかまっての立位保持は可能で,感染の再燃も認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005