発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067159
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16歳男.自転車で転倒し右下腿遠位部の開放骨折(Gustilo分類type II)を受傷し,前医にてプレートによる骨接合術+腸骨移植術を施行された.術後2日目より発熱・局所の感染徴候が出現し,6日後に創部切開排膿後に開放創とされたが,創部よりメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が検出され転院となった.入院時,手術創より骨・伸筋腱・プレートが露出しており,感染を契機に溶血性貧血を来たし,高ビリルビン血症となり黄疸を認め,全身状態不良であった.創部を十分に洗浄後にIlizarov創外固定器により近位と遠位を固定しプレートを抜去した.脛骨の血流は非常に悪く移植骨は全て切除し,骨切除による骨欠損は65mmとなったため,bone transportのためのcorticotomyを脛骨近位部で行った.術後11日目より1mm/日でbone transportを開始して約3ヵ月でドッキングした.術後2ヵ月で外側,4ヵ月で内側が治癒し,術後1年経過の現在,足関節可動域制限は遺残したがADL障害は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004