発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252306
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
慢性踵骨骨髄炎に対し,病巣掻爬後に生じた骨欠損部に抗生物質を封入したハイドロキシアパタイト(HA)を充填した4例5足を経験し,有効であったので,2症例を呈示して報告した.排膿期間は5ヵ月~13年と長期にわたっており,起因菌は表皮ブドウ球菌や連鎖球菌等,皮膚常在菌であった.軟部組織の状態が不良であった2例には皮弁を,偽関節を伴った1例には血管柄付き腓骨移植術を追加した.術後観察期間は1年2ヵ月~6年9ヵ月で,感染は全例沈静化した.これらのことから,踵骨骨髄炎の治療として,抗生物質封入HAは有効であると考えられた.また,MRIで骨髄の輝度変化を認めた場合,術中の肉眼所見で骨皮質が侵されていなくても,骨掻爬が必要と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003