発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140441
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
69歳女.耐え難い後頭部から後頸部の疼痛を主訴とした.慢性腎不全のため11年前より人工透析を受けており,約1年前より主訴が出現し次第に増強した.2000年12月初診時,疼痛のため坐位の保持は困難で,頸椎は前後屈,回旋ともに可動域制限が著明であったが,神経学的な異常所見は認めず,単純X線にて後頭環椎関節および環軸関節の破壊と垂直不安定性,環軸関節の前方亜脱臼,C3,C4の軽度前方すべりが描出された.また,頸椎のCT,MRIにて歯突起の侵食・破壊像を認めるものの明らかな軟部組織増殖性病変に乏しく,頭蓋頸椎移行部を含む破壊性脊椎関節症と診断した.経過中偶然に高度の大動脈狭窄が発見されたが,本人の強い希望により各科連携のもとで後頭骨頸椎固定術を施行,術後は厳重な全身管理を行い,フィラデルフィア装具を6ヵ月装着した.その結果,疼痛は消失して骨癒合が得られ,術後12ヵ月のX線像での固定性は良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005