発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140440
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選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の慢性疼痛障害に対する有効性を検討した.非ステロイド性抗炎症薬,トリガーポイント注射,神経ブロックに抵抗する疼痛が6ヵ月以上持続するものの器質的要因の関与を確定できない患者10例を対象に塩酸パロキセチン水和物を投与し,short-form McGill Pain Questionnaire(SF-MPQ)を用いて投与前・投与後1ヵ月の疼痛を評価した.その結果,70%の症例で痛みが有意に改善し,痛みを多次元的に評価できるSF-MPQにおいて各スコアの平均改善率は49~78%であった.また,副作用を理由に服薬を中止した例はなかったが,無効3例を認めた.従来の三環系抗うつ薬と同等の有効率を有し,副作用の少ないSSRIは整形外科医にも使い易く,慢性疼痛に対し有効な薬剤となる可能性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2005