発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002179049
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高度の脊髄症あるいは呼吸障害,めまいなどの延髄刺激症状を有する患者に対して,インストゥルメントを使用した後頭頸椎固定術の12例を,整復群6例と非整復群6例の2群に分け,手術成績を新Ranawat値を用いて検討した.軸椎垂直亜脱臼の整復操作は基本的には,全例,術中麻酔下に体位決定時にイメージを使用して試行した.5mm以上の整復が行えた整復群では術直後平均8.5mmの整復であり,それは後頭骨環椎間で生じる場合と環軸椎間で生じる場合があった.フックシステムでは矯正の保持は困難であり,術後平均2年2ヵ月の経過観察期間で矯正損失は4.8mm(約56%)であった.術後に後頭骨軸椎間距離が少なくとも10mm以上ある症例の成績は良好であり,それゆえ軽度の軸椎垂直亜脱臼には必ずしも整復は必要ではないと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002