発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006105274
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環軸関節症5例に頸椎フックによる後頭骨頸椎固定を行い,頸椎フックの安全性を検討した.X線像,CTにより3例に頸椎フックの弛みや脱転を認め,うち2例は下位フックのみにみられた.脊柱管前後径が11mmであったのは2フックで,いずれも脊髄圧迫を認め,理学所見上も脊髄症を発症していた.12mmは7フックで,3フックに脊髄圧迫を認め,そのうち1フックが脊髄症を発症していた.14mmは4フックで,2フックに脊髄圧迫を認めたが,脊髄症の発症はみられなかった.18mm,20mmは2フックずつで,脊髄圧迫や脊髄症の発症は認められなかった.脊髄圧迫は全ての椎弓(C2~C4)に認められ,脊髄症は椎弓の高位が下がるにつれて発症しやすい傾向にあった.椎弓フックは,脊髄椎弓間距離1.7mm前後において脊髄圧迫と脊髄症発症に関与していると思われた.椎弓フック使用の際には術前より脊髄椎弓間距離を計測し,椎弓間前後径が小さい椎弓でのフック挿入は脊髄圧迫と脊髄症発症の危険が高いことを認識すべきだと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006