発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067158
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34歳男.8ヵ月前に右下腿を打撲し疼痛が出現,1ヵ月前に同部を蹴られ疼痛が増強し近医を受診,単純X線像にて右脛骨骨腫瘍を疑われ紹介来院した.初診時,右大腿は軽度腫脹し,脛骨前面に10×7cm大の硬い腫瘤を触れ自発痛・圧痛・熱感を認め,単純X線像では脛骨骨幹部から遠位骨幹端部にかけて不規則な溶骨性変化と硬化像を認めた.単純CTでは脛骨内外に腫瘤を認め,MRI横断像では腫瘤はT1強調像で筋肉と等信号・T2強調像で筋肉より軽度高信号で,冠軸断像ではT2強調像で筋肉より高信号で一部に分葉構造を認めた.以上の所見から,骨肉腫を疑い切開生検を施行し,病理組織学的所見は間葉性軟骨肉腫の像であった.全身検索では転移は認めず,国際対癌協会分類でstage IIBであり,術前化学療法を7コース施行後に根治目的で患者の希望もあり下腿切断術を施行した.術後化学療法を6コース施行し,初診より6年6ヵ月経過の現在,再発なく経過している
©Nankodo Co., Ltd., 2004