発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001191222
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24歳男.交通事故により右下腿を受傷した.広範な軟部組織の損傷を伴った重度の下腿開放骨折を認め,直ちに創内洗浄,デブリドマン,Kirschner鋼線による腓骨の髄内固定,足背長母趾伸筋腱断裂に対する腱縫合,けい骨粉砕骨折の整復・Orthofix創外固定を行った.創閉鎖はできず,開放創とした.受傷後4週からIlizarov創外固定器を用いたbone transportを開始した.bone transportが進むにつれて開放創は徐々に縮小した.整復した粉砕骨片は不活化していたため摘出したところ,けい骨遠位に約5cmの骨欠損が生じた.掻爬時に切除した骨を砕いて一期的にdockingした後,docking siteの周囲にこれらの骨を移植した.腸骨は使用しなかったが,X線像では移植骨周囲にも良好な骨形成が確認された.受傷後1年近くが経過し,全荷重歩行が可能であり,膝関節の可動制限もなく,足関節の可動域も良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2001