発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067156
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50歳男.建築現場で3mの高さから転落し鉄筋に突き刺さって受傷,初診時に鉄筋は陰嚢より刺入して右股関節を通過し右臀部に貫通していたが,主要な神経・血管および骨盤内臓器損傷は認めなかった.同日鉄筋を抜去し,洗浄・デブリドマンのうえ創を閉鎖したが,抜去後のX線・CT像にて右大腿骨頭骨折と右寛骨臼後壁骨折を認めた.抗生剤使用により創部感染徴候は認めなかったが,輸血後肝炎を併発したため全身状態が安定後まで待機とし,受傷後3ヵ月目に大腿骨頭骨折に対する骨接合術を施行した.術後1年5ヵ月時のX線像ではすでに関節裂隙の狭小化が認められたが,術後9年目の股関節X線像にて右股関節の関節裂隙狭小化の進行・大腿骨頭の陥凹・骨硬化像・骨堤形成を認め,進行期の変形性股関節症と診断された.術後12年後には歩行時の右股関節痛が出現,さらに1年後には末期変形性股関節症の診断にて人工股関節全置換術を施行,術後JOAスコアは術前の57点から94点に改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2004