発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039466
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46歳女.右股関節可動域消失に伴うADL障害と腰痛を主訴とした.28歳時,右末期変形性股関節症と診断され,他院で股関節固定術を施行された.30歳時交通事故により右大腿骨を骨折し,プレートによる観血的整復固定術を施行されたが,31歳頃から腰痛が出現した.41歳時右大腿骨を再骨折し,有角プレートによる再固定術を受けた.その後,右股部痛はなく経過していたが,主訴が出現した.著明な跛行を認め,画像所見では右股関節は骨性に完全に癒合していた.椎間関節に骨硬化と関節裂隙の狭小化を伴う関節症性変化,椎間板腔の狭小化を認めた.患者希望により,股関節固定術後に人工股関節全置換術を施行した.術後3年の現在,股関節周囲の筋力は外転筋も含めてほぼ正常化し,脱臼もなく,杖なしで歩行している.ADLの著明な改善も得られているが,インプラントの弛み,感染等については,今後十分な経過観察が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2004