発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067155
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46歳男.7ヵ月前に米国在住中に右下腿後面の一過性しびれ感に続き,6ヵ月前には右臀部腫瘤が出現した.血腫の診断にて2ヵ月前に切開生検術を施行され,術中所見も血腫と判断された.術後ドレーン留置していたが3週後に創部感染をきたしドレーンを抜去したところ局所の腫脹が再燃したためMRIを撮像したが読影前に帰国となり来院した.臨床経過と持参したMRIから悪性腫瘍を疑い入院となった.入院時,右臀部は20×20cm大に弾性軟に緊満し,熱感・発赤を認め,血液検査では炎症所見を認めた.MRI・Gd-DTPA・骨シンチ所見から巨大な血腫を伴う軟部肉腫を疑い,経皮的針生検にてhigh grade spindle cell sarcomaと病理診断された.血管造影にて腫瘍への大腿深部動脈・上臀動脈・下臀動脈からの血流を確認し,それらの塞栓後に広範囲腫瘍切除術を施行した.切除標本の病理組織学的所見から平滑筋肉腫と診断され,現在術後化学療法施行中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004