発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009099220
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
76歳男。主訴は歩行障害、右下肢脱力感であった。右人工骨頭置換術後、右股関節脱臼および右大腿骨転子部の骨折を生じ、それぞれ徒手整復術、大腿骨接合術および人工骨頭再置換術を施行し、1ヵ月前に1本杖にて退院したが、入浴中に症状が出現した。右股関節単純X線および3次元CT所見においてステム頸部が人工骨頭から前上方に脱転しているのを確認したため、ステム除去後骨セメントを用いたインプラント再置換術を施行した。ステム頸部には多数の庇護および一部に圧痕が生じ、全周性に血液が付着していた。最終手術後6ヵ月経過して疼痛、脱臼・インプラントの弛みや脱転は認めず、松葉杖にて歩行可能である。本例の発症機序として、ポンピング現象の関与が推察された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009