臨床室
下肢深部静脈血栓症が先行した膝窩部平滑筋肉腫の1例
倉員 市郎
1
,
坂本 昭夫
,
進 悟史
,
清水 敦
1国立病院機構小倉医療センター 整形外科
キーワード:
Doxorubicin
,
下肢
,
MRI
,
膝窩静脈
,
膝窩動脈
,
X線CT
,
軟部組織腫瘍
,
膝
,
平滑筋肉腫
,
アジュバント放射線療法
,
静脈血栓症
,
遅延診断
Keyword:
Doxorubicin
,
Leiomyosarcoma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Knee
,
Popliteal Artery
,
Popliteal Vein
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Radiotherapy, Adjuvant
,
Venous Thrombosis
,
Lower Extremity
,
Delayed Diagnosis
pp.1351-1354
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015090933
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症例は63歳男で、左下腿腫脹が出現し、エコー検査で膝窩静脈からヒラメ静脈、被覆静脈に充満する血栓を指摘された。深部静脈血栓症の診断で抗凝固薬治療を開始し、血栓はほぼ消失したが、腫脹は増悪し13ヵ月目に左膝窩部軟部腫瘤が発見された。MRIで左膝窩部にT1強調画像で低信号、T2強調画像でやや不均一な高信号を示す径8cmの軟部腫瘍を認め、膝窩動静脈は腫瘍により圧排され、造影CTで膝窩静脈が閉塞していた。針生検で紡錘形/多形型細胞の増殖を認め、軟部悪性腫瘍の診断で手術を施行した。腫瘍との境界が不明瞭であった膝窩動静脈の血管鞘は腫瘍側につけて切除し、膝窩静脈は腫瘍と合併切除した。病理所見で、両切りタバコ状の核をもつ紡錘形細胞の増殖を認め、免疫染色結果より平滑筋肉腫と診断された。術後化学療法と局所放射線療法を施行し、1年経過して局所再発や遠隔転移はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014