発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013098774
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
71歳男。右大腿骨頸部骨折術後24時間経過した時点でフォンダパリヌクス(FPX)2.5mg/日の投与を開始した。術後7日目にHb値5.3g/dlと貧血が著しく進行し、また患側臀部に著明な腫脹を認めたため、FPXを中止した。X線で患側大腿に軟部陰影の腫脹を認め、翌日のCTで患側臀部に8×4×17cmの血腫を認めた。血腫が今後増大して貧血が更に進行することが懸念されたため術後11日目に観血的血腫除去術を行い、以後の経過は良好であった。一般にFPX投与の注意事項として、クレアチニンクリアランス(Ccr)20ml分未満の患者は禁忌とされ、また体重40kg未満や高齢の患者では慎重投与となっているが、本例のCcrは39ml/分であり、体重は53kgであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012