発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009241363
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32歳男。2ヵ月前に左臀部腫瘤に気づき、近位での切開生検で軟部肉腫と診断され紹介受診された。腫瘤は20×13cm大、弾性硬で、MRIのT1強調像で等信号、一部高信号、脂肪抑制ガドリニウム造影で造影効果を示した。全身精査では肺転移を認めた。病理組織学的には小円形細胞の増殖を認め、免疫染色はMIC2、PAS陽性で、骨外Ewing肉腫と診断された。病期は国連対癌連合分類でT2bN0M1、stage IVと評価した。イホスファミドなどによる化学療法を開始し、臀部放射線照射併用で原発巣、肺転移とも画像上消失した。しかし、初診1年2ヵ月後に頭痛、意識レベル低下が生じ、右瞳孔散大、左半身麻痺を認めた。頭部CTで右の後頭葉に血腫を認め、緊急開頭血腫除去術を行った。病理所見はEwing肉腫と合致し、脳転移および腫瘍に伴う血腫と診断した。脳への放射線照射を行ったが、脳転移からの播種と考えられる頸髄病変を来たし、脳転移後6ヵ月で原病死した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009