発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012360390
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2006~2011年に他院から軟部腫瘍の疑いで当院に紹介され最終診断が血腫であった15例について臨床像と画像所見の検討を行った。男性11例、女性4例、年齢55.4±19.2歳、罹患部位は大腿5例、下腿4例、臀部2例、その他4例であった。外傷歴を有するものが7例、手術歴を有するものが3例で、抗凝固薬の内服歴や凝固異常疾患の既往歴を有するものはなかった。単純MRIで測定した腫瘤長径は2~14cm(平均7.7cm)で、腫瘤内部はT1・T2強調像とも低信号~高信号まで多彩な像を示した。腫瘤辺縁は、peripheral rimと呼ばれるT2強調像の低信号域を全例に認め、その内縁にconcentric ringと呼ばれるT1強調像の高信号を5例(33%)に認めた。造影MRIを行った10例のうち、腫瘤辺縁のみ造影されたものが4例、腫瘤内部も濃く造影されたものが2例であった。5例は外傷歴・腫瘍サイズ・MRI所見・臨床経過から診断することができた。10例に生検を行い、生検施行群は非施行群に比べて腫瘍長径が有意に大きかった。代表例として、生検なしで診断できた1例と、生検により診断した1例を提示した。
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