発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067149
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人工膝関節全置換術(TKA)における術後出血を抑制するために有効なトラネキサム酸の投与時期について,TKA初回手術を施行した80症例(男性9例・女性71例,年齢51~86歳・平均72.9歳)を対象に検討した.対象をトラネキサム酸の投与法からターニケット駆血15分前投与(術前投与群)・ターニケット解除5分前投与(術中投与群)・駆血15分前と解除15分前の2回投与(2回投与群)およびトラネキサム酸無投与の4群に分け比較検討した.その結果,トラネキサム酸の投与により自己血輸血非施行下に全例で同種血輸血は回避できた.トレネキサム酸の術前投与群・術中投与群・2回投与群の3群間に総出血量・術後出血量に有意差は認めず,術前投与群でより出血が抑制される傾向が認められた.トラネキサム酸の有効血中濃度を考慮するとTKAの術後出血抑制には術前にトラネキサム酸1000mgを1回点滴投与する方法が現時点では最も推奨されるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004