発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067148
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Colles骨折に対してcondylar stabilizing法を施行し,12週以上経過観察し得た21症例(男性5例・女性16例,年齢29~79歳・平均61.1歳)を対象に術後手関節尺側部痛を訴えた症例の原因と対策について検討した.対象の骨折型は斎藤分類のColles骨折9例・粉砕Colles骨折12例で,手術ではAO/ASIF掌側用Distal Radius Plateのアーム部スクリューホールのうち最橈側を除いた全てに1.8mmバットレスピンを挿入してプレートとロックさせる方法を行った.その結果21例中6例に手関節尺側部痛を認め,疼痛は尺屈を伴う握り動作や前腕の回旋動作により生じていた.疼痛を認める症例では有意に受傷時のulnar varianceが大きく,受傷時の長軸方向の転移が大きい症例では三角線維軟骨複合体(TFCC)を含めた軟部組織の損傷が推測された.以上より,手関節尺側部痛の主原因は合併するTFCC損傷と考えられ,TFCCを含めた軟部組織修復に配慮することにより治療成績の向上が得られるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004