経験と考察
80歳以上の高齢者に対する駆血帯非使用人工膝関節全置換術の合併症と安全性の検討
佐藤 泰介
1
,
斎田 良知
,
倉田 憲一
,
深作 進
,
金子 和夫
,
根本 昌幸
1北習志野花輪病院 習志野人工関節脊椎センター
キーワード:
止血帯
,
術後合併症
,
超音波診断
,
失血-外科
,
治療成績
,
80歳以上高齢者
,
静脈血栓症
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
Fibrin Fragment D
Keyword:
Aged, 80 and over
,
Postoperative Complications
,
Tourniquets
,
Ultrasonography
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
,
Venous Thrombosis
,
Fibrin Fragment D
pp.1143-1145
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015009303
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駆血帯非使用による人工膝関節全置換術(TKA)を行った80歳以上の変形性膝関節症40例56膝(高齢群)における周術期および術後合併症の発生について検討した。術前および術後1週の深部静脈血栓症(DVT)発生率、周術期合併症、血液検査所見、在院日数を調査した結果、周術期および入院期間中の死亡例はなく、周術期の脳出血および梗塞、心筋梗塞、症候性肺塞栓症も認めなかった。高齢群の術後成績は80歳未満の82例110膝と遜色ないものであり、全例独歩で自宅退院したが、術後せん妄の発生率と術前DVT陽性者の術後新規DVT発生率が高かった。80歳以上の高齢者に対するTKAは、適応を十分検討して術前後の管理を適切に行えば有用な治療であるが、術前のスクリーニング検査、術後の適切な血栓症モニタリングと抗凝固療法が必要と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014