発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010080238
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人工膝関節全置換術後にフォンダパリヌクスによる抗凝固療法を施行した、関節リウマチ患者46例(男5例・女41例・平均59.5歳:A群)と変形性膝関節症患者26例(男4例・女22例・平均68.7歳:B群)の経過を比較した。術後7日目の超音波検査で深部静脈血栓症を認めたのはA群15.2%、B群11.5%で、有意差はなかった。1週間以上続く創出血はA群1例に認め、Hbが術前10.1mg/dlから術後9日目には6.2mg/dlまで低下したが、フォンダパリヌクスを7日目に中止したところ9日目に出血は認めなくなった。肝機能障害はA群13.0%、B群11.5%に認め、有意差はなかった。なお、A群のメトトレキサート服用者では19%とやや高率に発症を認めた。肝胆道系酵素の上昇は術後4~7日目に認め、特にアルカリホスファターゼ(ALP)が高値となり、アイソザイムではALP1が上昇していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010