発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010338478
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人工股関節全置換術(THA)に対するトラネキサム酸使用の有無による周術期出血の比較を行った。対象は2007年3月~2008年4月までに行ったTHA 101例(男性13例、女性88例、平均年齢68.5歳)で、原疾患の内訳は変形性股関節症(OA)91例、関節リウマチ(RA)5例、大腿骨頭壊死1例、大腿骨頸部骨折4例であった。2007年10月までのトラネキサム酸非使用群51例(対照群)と同11月以降のトラネキサム酸使用群50例に分けて比較した結果、術中出血量は対照群488.2ml、使用群358.7ml、術後出血量はそれぞれ211.6ml、132.2ml、総出血量は699.8ml、490.9mlといずれも使用群で有意に減少していた。術後の深部静脈血栓症(DVT)の発生は7例、2例と発生頻度に有意差はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010