発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013098767
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
当科で2007~2011年に片側TKAを行った161例を対象に、術前自己血貯血と術後非洗浄回収式自己血輸血の安全性・有効性について検討した。検討にあたり対象を4群に分類した。すなわち、術前1ヵ月のHb値が11.0~14.0g/dlで自己血貯血を行った111例をA群とし、行わなかった29例をB群とした。また、術前1ヵ月のHb値が14.1g/dl以上で自己血貯血を行わなかった9例をC群とし、術前1ヵ月のHb値が11.0g/dl未満で自己血貯血を行わなかった12例をD群とした。全例に術後非洗浄回収式自己血ConstaVac Blood Conservation System(CBC-2)を使用した。自己血貯血とCBC-2使用に伴う発熱・溶血などの有害事象は全く認めず、肺塞栓の発症もなかった。A群における同種血輸血回避率は87.4%、B群の回避率は44.8%であり、A群のほうが有意に高かった。C群の回避率は100%、D群の回避率は0%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012