発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009271671
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単顆型人工膝関節置換術(UKA)の2日後のリハビリテーション中、呼吸苦を自覚した79歳男性症例について検討した。下肢深部静脈血栓形成の予防として、術後帰室時より足関節の自動運動を促すとともにフットポンプの使用、フォンダパリヌクスの皮下注射等を行っていた。胸部造影CTは右肺動脈の区域枝から亜区域枝レベルで造影剤の欠損領域を描出した。心臓超音波で右心負荷所見がみられたことから、亜広汎型の肺塞栓症と診断した。年齢、術後であることを考慮し、モンテプラーゼ9412IU/kgで血栓溶解療法を行い、その後、抗凝固療法を行った。治療開始翌日には呼吸苦などの自覚症状は軽快し、6ヵ月経過時点での再発症状はみられない。出血性合併症も認めず、血栓の大きさや個々の状態に応じての投与が有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009