発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006225113
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人工膝関節全置換術を施行した変形性膝関節症で,駆血帯を使用した20関節(男1関節・女19関節,平均70.7歳:A群)と,使用しなかった22関節(男3関節・女19関節,平均73.3歳:B群)の経過を比較した.手術時間はA群106.9分,B群113.5分,術中出血量は各々220.7ml,625.2ml,術後出血量は478.9ml,467.0mlで,術中出血量および総出血量はB群が有意に多かった.術後深部静脈血栓症(DVT)の発症頻度はA群75%,B群86%で,B群が高い傾向であったが有意差はなかった.近位型DVTは両群各1例に認め,遠位型DVTの発生部位は両群ともヒラメ筋静脈が多く,次いで腓骨静脈,後脛骨静脈,腓腹筋静脈の順であった.有症状の肺血栓塞栓症は両群各1例に認めたが,抗凝固療法で改善した.DVT発生に駆血帯の有無が影響することはなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2006