発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004301334
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60歳女.関節リウマチ(RA)を発症し,ステロイド投与を約2年間受けていた.誘因なく腰痛,両大腿部痛が出現し,歩行困難となり当科受診した.単純X線所見でL3の椎体圧潰,及びL4椎体頭側終板の陥没を認めた.脊髄造影所見でL3レベルで造影剤の不完全ブロックを認め,側面像でL3後壁の膨隆による硬膜管の著明な圧迫がみられた.初回手術として後方進入により椎弓切除術及び後側方腰椎固定術を施行した.その2週間後に後腹膜アプローチによるL3椎体亜全摘,及び自家骨を充填したdistractable cageを使用した前方支柱再建術を施行した.術後に症状は著しく改善したが,術後100日目ころより腰痛が再発し,坐位・立位が困難となった.X線像上隣接椎体であるL1の圧迫骨折を認めたため骨セメントを使用した経皮的椎体形成術を施行したところ,腰痛は改善し歩行訓練も再開した.しかし,再手術後2週目より再び腰痛が増強し,固定範囲を延長した再固定術を施行した.再固定術後腰痛は改善し,8週目には歩行器を使用し歩行可能となった.再固定術後10ヵ月の現在,独歩可能であり症状の再発はみられない
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