発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004015993
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1996年4月~2001年3月に,脊椎黄色靱帯骨化症(OYL)を合併した胸腰椎移行部圧迫骨折で両下肢麻痺を呈し,手術を施行した13例(男7例,女6例,手術時平均69.4歳)を対象に,手術適応,手術法および予後について検討した.受傷原因は転落6例,転倒2例,交通事故1例,重量物の保持1例,明らかな外傷歴のないもの3例で,うち2例は骨粗鬆症性椎体圧潰であった.術前麻痺の重症度は,改良Frankel分類でC1が3例,C2が4例,D1が4例,D2が1例,D3が1例であった.病態としては,新鮮圧迫骨折,破裂骨折が3例,骨粗鬆症性椎体圧潰が4例,陳旧性圧迫骨折が6例であった.骨折した部位と1つ上位の椎体との椎間板レベルに骨化巣があるものを上位型,骨折した部位と1つ下位の椎体との椎間板レベルに骨化巣があるものを下位型,両方に骨化巣があるものを上下位型としたところ,上位型9例,下位型0例,上下位型4例であった.術後麻痺の重症度は,C1が1例,C2が2例,D1が3例,D2が5例,D3が2例であった.術後の麻痺は改善が10例,不変が2例であり,麻痺の悪化が1例のみ認められた.術後合併症は内固定具の破損1例,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染1例(麻痺悪化例)であった
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