整形外科領域における移植医療
骨および軟骨に対する人工・生体材料、組織細胞移植の臨床成績 脊椎 頸椎前方除圧固定術における緻密質・多孔質複層ハイドロキシアパタイトの有用性
吉井 俊貴
1
,
橋本 泉智
,
大川 淳
1東京医科歯科大学 大学院整形外科
キーワード:
Hydroxyapatite
,
Tolonium Chloride
,
頸椎
,
電子顕微鏡検査法
,
骨形成
,
骨板
,
コンピュータ画像処理
,
脊椎固定術
,
脊椎疾患
,
X線CT
,
腰椎
,
圧縮強度
,
外科的減圧
,
集学的治療
,
材料試験
,
多孔性
,
治療成績
,
マイクロX線CT
,
海綿骨
,
骨癒合(骨折治癒以外)
Keyword:
Cancellous Bone
,
Bone Plates
,
Combined Modality Therapy
,
Cervical Vertebrae
,
Image Processing, Computer-Assisted
,
Materials Testing
,
Lumbar Vertebrae
,
Osteogenesis
,
Microscopy, Electron
,
Spinal Diseases
,
Spinal Fusion
,
Tolonium Chloride
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Porosity
,
Treatment Outcome
,
Durapatite
,
Decompression, Surgical
,
Compressive Strength
,
X-Ray Microtomography
pp.97-100
発行日 2015年10月10日
Published Date 2015/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016081973
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緻密質・多孔質複層ハイドロキシアパタイト(複層HA)を考案し、in vitroおよびin vivo評価を行った。In vitroでの力学試験では、約200MPaの圧縮強度を認めた。ウサギ腰椎椎体間へのin vivo移植実験ではインプラント周囲に良好な骨形成を認め、非脱灰標本の組織写真では多孔質部への新生骨の進入を認めた。次いで、複層HAを用いて頸椎変性疾患81椎体に頸椎前方椎体間固定術を行い骨癒合を検討した。術後2年でのreconstruction CTによる骨癒合率は、1椎間固定で100%、2椎間固定で85.7%、3椎間固定で75.0%であった。固定椎間の前彎角およびC2~C7前彎角は術後有意に増加し、その後も良好に維持された。術後のCTで多孔質部の角に小クラックを4例に認めたが、荷重を担う緻密部でのインプラント破損は認めなかった。以上より、複層HAを用いた頸椎前方椎体間固定術の有用性が示唆された。
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