発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004231723
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2歳女児.母親に抱かれた状態から降ろされた時,左下肢をひねり受傷した.左股関節は屈曲・内転・内旋位をとり,疼痛のため自動運動不能,X線で後方脱臼を認めるが明らかな骨折は認めなかった.全身麻酔下で徒手整復で整復感は得られるが手を離すとすぐに脱臼位に戻った.股関節造影を行ったところ造影欠損がみられ,股関節内になんらかの介在物が存在すると考えられた.これらのことから,徒手整復不能と判断し観血的整復術を施行した.破れた関節包が臼蓋内に嵌入し整復を阻害していた.関節包を引き出すと,臼蓋底に剥離した円靱帯が観察された.円靱帯切除後股関節を整復し,関節包を縫合した.術後6週間スパイカキャスト固定で完全免荷,ギプス除去後3ヵ月,股関節外転装具で荷重歩行を行った.術後1年の現在,疼痛,跛行や可動域制限は認めず,X線像での異常はみられない
©Nankodo Co., Ltd., 2004